離乳食・幼児食は薄味が基本ですが、実際、子供は塩分をどれくれい摂っても大丈夫なのでしょうか?
今回は、子供の塩分摂取の目安量と、摂りすぎによる影響、症状、そして対処法のお話です。
1日あたりの塩分の目安量
1日あたりの塩分の摂取量の目安は、成人女性が6.5g未満。成人男性が7.5未満となっています。
1~2歳の幼児食前期の子供なら3.0g未満、3~5歳の幼児食後期の子供は3.5g未満となっています。
ただ、実際の成人女性の塩分摂取量は9.0g以上、成人男性は11g以上とも言われており、子供も大人も意識的に塩分の摂りすぎに気を付ける必要があります。
1日の目安量 | 実際の摂取量 | |
成人女性 | 6.5g未満 | 9.0g以上 |
成人男性 | 7.5g未満 | 11g以上 |
1~2歳 | 3.0g未満 | |
3~5歳 | 3.5g未満 | 4g以上 |
だいたいの子供の塩分量の目安としては、1~2歳なら大人の1/3、3~5歳なら1/2と考えておくと良いと思います。
子供が塩分を摂りすぎると、どんな影響や症状がある?致死量はある?
子供が塩分を多く摂ることによる影響は様々ありますが、主なものを挙げていきますね。
腎臓に負担がかかり、高血圧になりやすい
塩分といえば、高血圧というイメージ、ありますよね。
塩分をたくさん摂取すると塩分濃度を下げたり、排泄させるために腎臓に負担がかかり高血圧を引き起こしやすくなります。高血圧は、腎機能の低下を早める原因にもなりますので、悪循環になってしまいます。
赤ちゃんの頃から減塩を心がけていた場合には、将来的にも高血圧のリスクは抑えられるようです。
濃い味に慣れることによって、将来の成人病の原因なりやすい
塩分の多い味の濃い食事は美味しいですが、子供のころからそれに慣れてしまうと、大人になっても濃い味を好むようになり、結果的に高血圧などの成人病にかかるリスクが上がってしまいます。
本来、子供は薄味でも美味しく食べることが出来ますし、素材そのものの味を経験することはとても大切なことです。
塩分を摂りすぎると起こる可能性のある症状
そして、塩分を大量に摂取した際に起こる症状としては、次のようなものがあります。
- 頭痛
- 嘔吐
- 意識障害
- けいれん
- くも膜下出血
重症化した際には命を落とす危険性もありますので、日ごろからの減塩はとても大切です。
塩分の致死量について
体重1㎏あたり0.5g程度の食塩で中毒症状が出るとされ、1歳児くらいの子供では小さじ1杯程度の食塩で死亡する危険性があると言われています。
例えば、体重10㎏なら食塩5g、15㎏なら7.5g、20㎏なら10gです。
前項でもご説明しましたが、成人男性の実際の塩分摂取量が約11gですので、食べる量に違いはありますが、子供が大人と同じ味付けのものを食べていたら確実に塩分の摂りすぎになってしまいます。
塩分摂取量を控えるためにできること
塩分を控えるためにできることとしては、単に塩を減らすのでは味気なく感じてしまうかもしれませんので、工夫が必要ですよね。
簡単な方法としては「だし」を効かせることです。
だしを購入する際は、塩分が多いものや化学調味料の入ったものは避けて、天然素材のものが良いです。
また、冷奴にはお醤油をほんの少しだけたらし、鰹節をかけてうま味を効かせるとか、あえ物に煮干しを入れるなども良いかもしれませんね。
コロッケや、オムライス、目玉焼きなど、調味料をかけて食べる料理の場合は掛けすぎに注意して、ごく少量でいただくと良いと思います。
容器から直接かけると掛けすぎになりやすいので、一旦スプーンなどにだしてから掛けると調節しやすいです。
塩分を摂りすぎた時の対処法
塩分を摂りすぎないように気をつけていても、外食などでどうしても摂りすぎてしまうこともあると思います。
そんな時は、カリウムを摂るとよいです。
カリウムは、ナトリウム(塩に含まれる成分の一部)を尿として体の外に排泄させる働きがあります。
カリウムが含まれる食品は、主に
- バナナ
- メロン
- アボカド
- ブロッコリー
- 海藻
- さつまいも
- 大豆
- 肉類
- 魚類
などがあります。
まとめ
今回は塩分についてまとめてみました。
1日あたりの塩分摂取量を参考に、摂りすぎないように調理や食べ方の工夫をしたり、摂りすぎてしまったときは、カリウムを摂って体外に排泄するなどの対策をしましょう。
我が家も、塩分の摂取には気を付けたいと思います。